2006-01-01から1年間の記事一覧

年末になると「2007」という数列を頻繁に目にして、もう2007年が来るのかなどと思いつつ、いざ年を越すとその2007年を越したような気がしてしまい、一瞬「もう2008年か」と思う。気づいた後も既に「2007」には何となく見飽きている。毎年。 今年は5月からし…

先週の金曜の夜、夜行バスで大阪に出かけて、そこからさらに鳥取へ遊びに行って、今朝帰ってきた。骨休めの休暇のつもりで出かけようとするとそのために予め仕事を早く片付けておかねばならなくなり、もちろん間に合やしないので結局出先まで仕事を持ってい…

[[]]午後から出かけ、打ち合わせ二件。来年2月に参加する「第3回アジアダンス会議」の本チラシが完成した。美しく斬新。どこにも書いてないけど今回ぼくはファシリテーターという形でも関わっていて、企画やコンセプトの面でもだいぶ知恵を絞った。アジア…

勅使川原三郎の新作は、冒頭の勅使川原のガラス上の歩行(?)が凄くていきなり身を乗り出して見た。いくら目を凝らしてみてもよくわからない異様な動きは期待感を煽ったのだが、全体に見ると、「完成度」の極のようなところへ行った『KAZAHANA』の後という…

下で挙げられていた日本の振付家のうち、「舞踏」関係者と厚木以外についてはほとんど何も知らないし、実際こうした人々を「ポストモダンダンス」と括ることにどういう意味があるのかも今のところはよくわからないが、舞踏をそこに括り込むことでもっと包括…

この前のシンポジウムでポストモダニズムとポストモダンダンスは区別されるべきという話にちょっとだけなったけれども、この辺のことが当時リアルタイムではどう扱われていたのかは、また別の問題になり得る。 市川雅の「ポスト・モダン・ダンスと舞踏」とい…

突然気まぐれを起こして出かけた初日のチェルフィッチュは、予想外なまでに「脚」の演劇だった。というよりもむしろこれまでのチェルフィッチュにおける特権的な部位は腕であり、運動の無限性よりも有限性の方にフォーカスがあてられていたことに気づいた。…

土日で舞踊学会「ポストモダンダンス特集」終了。早く次の仕事にモードを切り替えないといけないのにエンジンがなかなか冷めない。久々の学会発表は持ち時間15分という枠の中にムリヤリ詰め込み高速ですっ飛ばして原稿を読み上げる結果になってしまったが、…

スケジュール的にかなり無理があるのだがチケットを取ってあった国立劇場の「舞の会」、それなりに良いものもなくはなかったが総じてヌルめのテンションのまま疲れが来ていた頃、昼夜通しで12本のうち最後から二番目、井上八千代の「八島」のあまりのカッコ…

寒くなって来ると風呂に浸かるのが気持ち良くなる。なぜ風呂が気持ち良いのかはわからないが、この気持ち良さは事実サルでもわかる。とはいえ、のぼせて来たので半身浴に切り替えて少ししてからまた浸かったりするということは、サルにはないのではないか(…

やはりここは観客もロールプレイしなければなるまいと思い、風呂にしっかり入ってからビールを飲み、二杯目のビールを飲みながら黒沢美香&ダンサーズを見て、横浜へ移動する頃には頭痛がひどくなり始めていて、しかしまともな本屋へ全然足を運べていないス…

木曜、展覧会と撮影のために来日しているヴィデオアーティストのMと会う。数えてみたら8年来の結構長い付き合いになっている。この前作っていた、手塚夏子が主演のスーパーマーケットの作品も見せてもらえたのだが、今回撮影したのはパラパラのダンサーを…

水曜は森下スタジオでの公開リハーサルと、青山のトリエンナーレがかぶってしまったので、森下の方のゲネにお邪魔させてもらって、終わってすぐ走って表参道へ、なかば諦めていたのだが奇跡のようにギリギリすべり込めた。アルコ・レンツの作品はジャカルタ…

ダンスに予定調和を求めまいとする限りなかば必然とはいえ数を見れば見るほど憂鬱な気分が深まっていくのは、徐々に日が短くなって駅から劇場までの道が既に暗いということとも関係があるのだろうか、何か一昨年くらいからどうも冬が苦手になってきた、冬が…

四世井上八千代が亡くなった時のNHKの特別番組を、VHSの3倍録画からまず一度デジカメに移し、それをPCでキャプチャーしてDVDに落として宝物にする作業にようやく手をつけ、それで何となくTVをつけたら立花隆がアメリカのサイボーグ技術の最先…

シモーヌ・フォルティが時たま「影響を受けた」と言及していたりして前から気になっていた日本の「具体」なのだが、一昨年の兵庫県立美術館での回顧展の時に出た『「具体」って何だ?』('04、美術出版社)という一体誰におもねりたいのかわからないタイトル…

先日の冷え込みであっさりと風邪気味に。 『plan B 通信』の連載は毎月「今回は早めに書き上がりそう」と思い、ならば早めに書き上げてしまえばいいのに、むしろ油断してしまい、やり始めたらやり始めたで今度は面白くてつい深々とはまり込み、結局早めにな…

土曜、三時間くらいかけて鈍行で前橋まで行く。電車の中で完全に退屈し切った子供を観察。ポストヒストリカルとはこれのことだ(また改めて書く)。駅に着いたらKさん発見。途中でKさんの今夜の宿に寄って、そのまま歩いて会場まで。久々に会う人々、去年…

コジェーヴが能楽とか茶道とか華道とか切腹とかを取り上げながら日本人の「スノビズム」(歴史的意味を欠いた純粋な形式的価値の文化)を論じているけどその後ももちろん歴史は終焉を迎えたわけじゃなかった、とかいったようなことをジャカルタで話題にした…

火曜、千駄ヶ谷でミーティング。ちょっとずつ前進。終わって神楽坂へ移動していつも行くラーメン屋、しばらくして箸をつけた頃、混んでもいないのに近くに別の客が座って店員に「タバコいいですか」と聞き、店員はあっさり「いいですよ」と答え灰皿を持って…

下で書いたことの続きでいえば、BABY-Qの新作の音楽には中原昌也(暴力温泉芸者、ヘア・スタイリスティックス)がクレジットされている。曲を提供しているだけかなと思ったらスタッフとしてシアタートラムに普通にいた。先日『エルマガジン』に前パブ記事を…

月末、あまりに毎日座りっぱなしで尻が痛くて、関西に出かけたりしてホッとしたら、ちょっと油断した隙にまた仕事が立て込んでしまい逆戻り。京舞のこととか書きたいことは色々あるけれどもやらねばならないことが後から後から生まれて全然片付かない。達成…

こう言ってしまっては何だが、どう考えても「屈辱的」という他ないイヴェント仕事を終え、半日ほどボーッとした。駆けつけてくれたSさん&Sさんにも言われたが、やはり企画に対するスタンスが中途半端だった。少しでも有意義な、面白いものにしたいと思っ…

大雨で金木犀が完全に散ってしまった。一週間か十日ぐらいしか楽しめなかった。そういえば先日のポタライブの時、吉祥寺の住宅街の一角に、今まで見たこともないほど巨大な金木犀の木があった。 ニュースで「オタク狩り」というのをやっていた。深夜、秋葉原…

要するに眼前の仕事からの逃避衝動を糧としているに過ぎないのだがこれまで『音楽舞踊新聞』に書いた記事の大半(全部ではない)を「ダンス・レヴュー」としてアップロードした。今まであまり気が進まなかったのは、一つには業界紙、しかもクラシック音楽と…

昨日ミーティングの合間にHさんと話していて、「天才」の話になった。Hさんのいう「天才」とは、直感だけでものを作ったり行動したりしているにも関わらず、結果的にその時代や社会の状況を鋭く捉えてしまったり、誰も想像しなかったような、しかし誰もが…

前に読みかけて途中で止めてしまっていたのだが、中村文昭『舞踏の水際』('00、思潮社)[amazon]は面白い。というか、ある時代の人々が共有したであろう信仰の内容が真摯に書き留められてある。「[土方巽にとって]あくまでも信じるにたるものは肉体一つで…

「三人の男の振付」なんていうタイトルで、ジェンダー絡みの問題提起も何にもないという、まさに日本のダンスの知的貧困を象徴するような企画でありながら、フタを開けてみれば三本ともそれぞれ実に手応えのある内容で、こういうのは何だか悔しい。首尾よく…

ハンガリーから来ているダンサーのEが「何か舞台が見たい」というので、今週のリストを作ってあげたのだが、結局ぼくの土曜の予定に丸ごと乗っかることになり、スズナリでペニノを見てから、ブリックワンで「ダンスシード」を見るというマニアックなプラン…

『黒沢清の映画術』(新潮社)[amazon]は、途中からはもはや止まらず、メモを取ることもできなくなったまま最後まで読んだ。そのまま『映像のカリスマ 増補改訂版』(エクスナレッジ)[amazon]も全部。散乱したトピックを拾い集めて整理したいが、中でも特に…