priceless

一昨日、HMVの500円均一セールのメールが来たから急いでザーッと見た。ごくたまに「500円なら」と思うようなのを見つけてもたいてい「完売」と出て、出遅れたと思いつつもジョルジ・ベン『A BANDA DO ZE PRETINHO』(ブラジル盤)を何とか引っつかんで、今日届いた。送料が入って867円になってしまうがそれでも激安。CKB以外にCDを買うのなんて久しぶりだ。『AFRICA BRASIL』の次に出た78年のアルバムで、早速聴いてみるとファンキー味が全く薄く、どの曲もさっぱりしたサンバだった。期待してたのとはちょいチガった。
先日丹野賢一さんから頂いた、先月の岡山ビル壁破壊公演『016-WALL special version』のヴィデオを見た。これからライヴスペースとしてリノヴェートする予定になっているビルのフロアの壁をぶち抜く行為をパフォーマンスに仕立てる狂った企画。こういう狂気を忘れない主催者が岡山にはいるのだ。丹野さんもまた、『シャイニング』におけるJ・ニコルソンの「おコンバンワ」から、『ブラッド・シンプル』における銃撃シーンまで、お約束は全て見せておきながらそこに安住することなく貪欲に狙いを定め、「お題」を徹底的にしゃぶり尽くしていた。客電状態での「日常」から赤い照明の「非日常」へとなだらかに移っていき、「非日常」の中で膨張したファンタジーがそのまま「日常」へドッと逆流してくる構成が本当に見事だ。当日この場に居合わせることができた人々に心から「おめでとう」と言いつつ嫉妬せざるを得ない。