寒い

今日のあさひやは完璧な仕事だった。「新そば」と書いてあったけどそのせいなのかどうかはよくわからない。いつもより細かった。
夕方、国立劇場にチケットを取りに行く。紙切れ一枚のためにわざわざ足を運ばねばならないなんて馬鹿げている。
中野富士見町まで丸ノ内線に乗る。plan B。またSに会った。もうすぐベルギーに帰るらしいが、本当にあちこちよく見ている。脇川海里のほとばしるリビドー(不純物のない、つまりリビドー以外の何も含んでいないリビドー)を全身に浴びて濡れ鼠になって帰る。この駅の付近と、そして中野坂上までの区間は、呆れるほど寂れた感じで、秋も深いことだし、実にイイ具合に死にたくなる。
ところで、よく舞台について「マスターベーション」という言い方がされるが、冷静に考えるとこれはすごいことだと思う。衆人環視の中でマスターベーションできる人は、ざらにはいないはずだ。要するに「自己陶酔」ということの謂いなのだろうが、慰める自己と慰められる自己に分裂しているからには、その構造は「自己反省」と酷似している。しかるに自己陶酔と自己反省とでは全く逆のことに思える。これはどう考えるべきか。