中毒

今日もコツコツと原稿を書く。しかしほとんど喉の渇きと同じようなレヴェルでダンス禁断症状が出て、とにかくダンスが見たくなり、出かけてしまった。数日見ていないだけで飢えを感じる。これは「単なる劇場通いが癖になっている」とか、「顔見知りや知人などのサークルに精神的に依存している」というのとは明らかに違う。ただダンスが見たくなる。いや正確には、誰かの身体と真剣に対峙する張り詰めた時間がほしくなるのだ(ちなみにこういう気分の時、なぜかバレエとか日舞とかディシプリンのはっきりしたものはあまり見たくない。そういうものはむしろ、ディシプリンの弱いダンスばかり見て疲れたり食傷したりしている時に猛烈に見たくなる)。人に会って話すとか、テレビを見るとかでは全然代わりにならない。今日の客席には残念ながらそういう飢えた人は少なかったようだが、今日のダンサーには多分わかってもらえるだろう。踊る人はすぐ「じゃあ自分が踊ればイイじゃん」とか言いそうだが。まあそうなのだろう。難儀なことだ。

とにかくこの後も木曜まで公演がない。恐ろしい。木曜からの中村公美はもちろんマスト・シーである。しかし問題は、その後、松山のヤミーダンス初自主公演に行くかどうかだ。どうしても見たいが、高額の旅費に逡巡している。しかしこれを見なくて本当にいいのだろうか。特にグループワークの新作『Newman』は、よりによって戒田美由紀の振付である。当然みんな見に行くのだろう。どうしよう。