『恋ごころ』('01、ジャック・リヴェット監督)。だめだこれは。いやダメなんじゃなく単に好きになれない。気取ってる人が気取ったハメの外し方したみたいなラストのなだれ込みもアウトだし(初めからタガの外れた人がますます加速していく『マルホランド・ドライブ』のラスト25分間を見た後ではなおさら)、だいたい主演女優がイヤだ。しかし本や紙がいっぱい映るところは良い。古い本がギュウギュウに詰まった本棚のある部屋や、図書館の机でたくさん紙や本を広げている人の姿が映る。特に本棚を見るのは楽しい。どんな本が並んでいるのかよく見えないと余計うずうずする。ハイデガーで博論を書いている大学講師の部屋も羨ましい本(棚)密度。ゴルドーニの未刊の戯曲を探している演出家が、「これか!?」と興奮して古い本(製本は新しい)を引っつかみ夢中になってめくるシーンの、本の取扱いのガサツさにはゲンナリしたけど。
思いがけずSさんとつながり、いきなり長電話した。明日は吾妻橋ダンスクロッシング