2002

World Down Town』が久しぶりに面白かった。ケニア初登場で、普段はアディダスとか履いてるマサイ族の若者が民族衣装に着替えて観光客の相手してボッてるところをやる。こういう生々しい暴露ネタにおける笑いって実に豊かだと思う。笑ってしまいつつ、その笑いに色んな意味が乗っかってきて、笑ってる自分が笑うことで何を遂行してるのかに気づいたりする。せっかくいろいろ新趣向だったのに、番組表には「(終)」って書いてあって、なのに番組では何も言ってなかった。要するに時間帯が変わるってことだろうか。
UNloved』('02、万田邦敏監督)見る。最初のうちは何か86年から91年ぐらいの映画みたいだし学生の習作っぽくもあるしこの仲村トオルの大根っぷりなんか如何ともしがたいなあとか思っていたけど、間違っていた。感動。独特の硬質な台詞回しが一言一言突き刺さるように発せられるこの演出の精度。異様にタメて感情を抑制した役者の呼吸が長回し多用の画面のリズムを引っ張っていく感じ。照明や色彩設計における暖色と寒色のわかりやすいコントラストなども、説明的なプロット同様、ブリコラージュ的錬金術になってる。欲望=成長=「男」と、欲求=反成長=「女」が、葛藤したまま怯えるように抱き合うラストの、組まれた手のアップの壮絶さ。この組まれた手は、何に怯えているのか?ポストバブルのポスト性とちゃんと向き合ってるところが実に2002年な感じだった。これはフィルムでもう一回見たい。