恐怖

今日は書類や論文のコピーなどの山が崩れる音で目が覚めた。正確にはちょっと落ちただけなのだが、寝ぼけたままそれを直そうとして一部を抱え上げたらその奥のが崩れかかってきて、あわわと思ったら両手に抱えてる分までバラバラに落ちかかり、進退窮まって膠着状態になって結局紙の山全体が盛大に崩落していくさまをただ呆然と眺めた。すると魂の内奥から「紙」一般に対する強烈な嫌悪がこみ上げてきて、いやしかし紙が嫌いになったらもう人生引き返せないところまで来てるんじゃないのという理性の声が高らかに響き渡り、心の葛藤を徐々に沈静化せしめて、何とか大人しく原状復帰に取り掛かることができた。文字通り思いがけないタイミングで深刻なるアイデンティティクライシスに見舞われたことに動揺しつつまた寝た。