ワンツー・どん

昨日の『少年チャンプル』。ひとりでできるもんは貞子をやった。髪も衣装もナシで、動きだけで。あのコマ落としみたいな唐突な加速までも再現。あとは足首が凄い。ヘンな角度で接地してて、とても目が追いつかないようなスピードで移動しまくる。TOZAWAは「宇宙」がテーマということで無重力空間を走るみたいな動きが異様だった。床を蹴った足がいつまでも後方へ向かって宙にたなびいている。それと、首・胴・腰の向きをバラバラに動かして、しかも音にハメているところ。ただ動いているだけじゃなくて、踊っているから驚く。ああ人間ってこんな風にも踊れちゃうんだ…という感慨が、「感動」だの「希望」なんていうものを通り越して、むしろ気が遠くなるというか、「絶望」に近い気持ちを呼び起こすのはどうしてなのか。ここまでおかしな動きをしちゃっている人の姿が、何か「人」という概念の背後にうごめく「器官なき身体」のようなものを暗示するからだろうか。激烈な踊りをしている体が、しばしばその体を突き破り、「人」という固定観念や機制の外へ抜けていくギリギリのところまで迫ることがあるが、そういう生々しい「勢い」とはまた違った、もっと知性的で技巧的な、想像力+技術の高み。そういえば手塚夏子の動きもたまに交通事故とか飛び降り自殺みたいな体に見えるが、あれもまた違う意味で「器官なき身体」を暗示する。「器官なき身体」は潜在的な可能性の総体であって、暗示的にしか示されないが、暗示された場合には、気持ち悪くなるほど深くて暗い淵のようなものとして現われる。
全然関係ないが、この前初めて経験したこと。すごく疲れていたからか、寝入りばなに、いきなり頭の中に様々なクラッシュシーンの断片が浮かび始めた。飛行機の主翼が折れて大爆発、自動車とトラックが正面衝突、鉄パイプで頭蓋骨が砕け散る……とにかく破壊、打撃、炸裂の嵐で、見ていてしんどいのだが、見たいことは見たいので*1、自分でどんどんイメージを加速していってしまう。そのうち神経が持ち堪えられなくなってきて、やめたいのだがやめられない。あー、いっちゃうなこれ、とか思いながら葛藤。ちょっと体が金縛りみたいにもなってて、でも何とか頭を振るって目を覚まして止められた。また眠ろうとすると来るので、一度起きて本読んだりして寝た。結構怖かった。T君にこの話をしたら、高音ノイズで似たような経験をしたことがあるとのことだったので、ちょっと安心した。
全然関係ないが、また竹島でもめている。北方領土ももめているし、尖閣諸島ももめている。日本は外交能力もないし、ポリシーもないし、愛国へのモティヴェーションも別にないんだから、全部あげちゃえばいいと思う。ただしそういう細かいところだけあげてしまうと国民全体としてはやはり困るわけなので、いっそのこと全部あげてしまう。ロシアには北方領土をあげて、ついでに北海道も。韓国には竹島をあげて、ついでに本州も。中国には尖閣諸島をあげて、ついでに九州と四国も抱き合わせにする。沖縄は独立。かくして日本は解散ってことで、他の国の方が行政もきちんとしてそうだし、面倒も一挙に解決。OK。

*1:臭い匂いを嗅ぎたいが如し。