読み物

昨日買った清水崇『寿恩』[amazon]('05、ぴあ)を一気読み。限りなくタレント本に近いのだが、読んでて元気が出た。悔しさをバネにする、とか。アメリカ版撮影の顛末を書いた部分はすごく面白い。アメリカの俳優と日本のクルーの習慣の違い。あとキェシロフスキ『デカローグ』やマンチェフスキー『ビフォア・ザ・レイン』のような、「観客のみが知り得る人同士のすれ違い」というテーマが好き、という話も(129頁)。それからあの白塗りの幽霊はやっぱり暗黒舞踏から来ているということも書いてある(162頁)。先日j.a.m.の相原さんから教わったのだが清水崇近畿大学に在籍していたことがあって、ルコックで有名な大橋也寸の授業を受けたり、もともと舞台とかにも通じている。293頁には、'04年のホラー番長シリーズ『稀人』に目黒大路が出ていると書いてあった。見たい。
それはそうと、無駄に厚すぎ。貴重な本棚の空きスペースを食われて困る。行間がやたら大きいし、下に註のスペースが作ってあって、いちいち人名解説が付いている。藤村俊二が振付師をやってたということは教えられたけど。確かに、厚い方が、背表紙の面積が大きくなって書店で目立つのだろう。小売店は返品、版元は断裁するのだとすれば、読者はブックオフに流せばいいのか。