初蚊に食われ

昨日は午後から恵比寿でHさん、Mさんと打ち合わせ、そのまま飲みに突入。ぼくは中座して中目黒へ移動、NYから一時帰国中のUさん、あとGくんも交えて三人で飲み。すごいヌイグルミみたいなイヌが二匹いたのだけど、ある時不意に腿の辺りをテ、テ、と何かに押されて、見たらそいつの黒い方が前足をついていた*1
激しく疲れたまま今日は朝から研究室。原稿を書きながら『禁色』を読んだり。それにしても語彙の豊富さに驚き呆れる。漢語系の難しい字が沢山とかいうのではなく、普通に読めるのだけれども、要するに言い回しということなのか。どこかから自分のことを見ている視線のことを「蛾」に喩えられる感性。あと描写的には、悠一が発展場である夜の公園の闇の中で無数の男たちに狙われるシーンなど凄い迫力で一人でどぎまぎした。「老青年はつぶらな目をあげて何か悠一に話しかけようとした。しかし悠一は背を向けて歩きだした。相手をいたわって、逃げ足にならぬように、できるだけゆっくりと彼が歩きだしたとき、今までつけて来たらしい男たちは身をひるがえした。四五人ではきかない。かれらははなればなれにさりげなく歩を転じた。その一人に悠一ははっきりとジャンパアの男を見た。思わず足を早めた。しかし無言の讃美者たちは後になり先になりしながらこの美青年の横顔を窺おうとしてついてきた」(79頁)。
今日はもう仕事にならないので早寝。「少年チャンプル」を予約録画したいのだが野球が延びたか何かしていて激しく迷惑。野球なんかいくらやってくれても構わないがただし伸び縮みしないでくれ一定の枠を確保して余ったら埋めるとかそれぐらいは責任を取れ。
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*1:もう一匹は茶色。