徹夜でパッキングして30日午前の飛行機でJFKを発ち、機内では例によってあまり眠れず、本を読んではウトウトして起き、を繰り返しながら14時間あまり。成田に着くと日本の景色が妙に新鮮で、いつも旅行から帰って来た時の感覚とは違っている。何かフィルターの入った目で周囲を見ている(またそのフィルターによって周囲から隔てられている)。特に、アジアの国だなと感じる。家に帰って洗面台で手を洗おうとしたら何だか異様に低い。いつも使っていたコーヒーカップもやたら小さい。10月にNYに着いた時、何もかもサイズが大きいのに閉口したが、今はそっちに体が慣れてしまっている。思考や判断もざっくりしている気がする。しかし同時に、見慣れたものが次々とそのままの姿で目に飛び込んできて、元いた場所に戻ってきたという実感もあり、その「馴染み」の感覚が、つい昨日まで馴染んでいたものの記憶と相容れず、まるで頭の中で水と油が分離したまま入り混じっているような感覚に襲われる。どっちにもいて、どっちにもいないような、ただ外界と切り離された自分が空気中を漂っている。
郵便物の整理だけで一仕事、FAXを次々に返信して、『エルマガ』のIさんと打ち合わせ。ブルックリンではうまく連絡が取れずに進行が遅れたが、帰りの機内で一通り文章を作っておいた。日本は大型連休の最中なので原稿の打ち合わせも急ぎなのではないかと思ったら、Iさんは明日も普通に出勤とのことだった。
7月のインドネシア行きが正式に決まった。インドネシア・ダンス・フェスティヴァルにスピーカーとして参加する。フェスは数日間の開催だが、また前後に旅程を伸ばして色々回りたい。特にジャワ舞踊をじっくり見たいが、できたらマレーシアなどにも。