去年、支笏湖畔でムックリを買った時の袋に、「ムックリの鳴らし方」とともに書かれてあった詩。

たかのあきら「ヤイシャマ」


少女よ
いま ムックリ
鳴らしたくは
ありませんか


あなたの唇に
アイヌ口琴
咲かせてはみませんか


びゅるん びゅろん
びゅん びゅろるん
びゅいーん びゅろるん
びゅ びゅ びゅん びゅろん
びゅろるん びゅいーん


少女よ 青年が
ムックリを奏でるとき
そうしてあなたも
ムックリを鳴らすとき
支笏の湖のさざなみは
深くたたえる
秋の静けさを
迎えるのでは
ありませんか


こんな夜更けにはたぶん
オコタンペ湖の
あの岸辺にも
妖精たちの
ささやかな祝祭が
少女よ
あなたの瞳のように
きらめいてはいませんか