昼過ぎから恵比寿で「アジア舞台芸術制作者ネットワーク会議」二日目のパネルに顔を出す。ネットワーキングの必要性、目的、手段、利益、障壁、などなどが隔靴掻痒な感じで抽象的に議論されていたが、こういう会議そのものは「儀式」みたいなところがあり、これをきっかけとして個人間でつながりがどんどん生まれ、具体的な共同作業はメールなどで進行するというのが現実。とはいえ、そういう個人的なつながりをひとまとまりにして視覚化し、それによって個人的な伝手のない人も入って来られるような場を開いておくことを「ネットワーキング」というのだろうから、肝心なことは「組織」の構築ではなく、同時多発的かつ拡散した諸々の活動があたかも一つの大きなムーヴメントとしての実体をもっているかのような「見かけ」を拵えてしまうことだ。ムーヴメントというのはとにかくまず「既成事実」化することで、外側からの注目や関心を追い風として受けつつ動いていく面がある。中身はむしろ多様な要素が混在していた方が面白いわけだから、ネットワークの中で意気投合した人同士がやりたい放題やればよい。まずはメーリングリストでもウェブサイトでも作って名前を付けてしまえば、とりあえず走り出すんじゃないかと思う。
明後日のセッションで一緒になるフクワンとヘリーはじめ知人、友人にたくさん会い、東京芸術見本市のレセプションにちょっとだけ流れる。10月に韓国で会った人や、去年この見本市で会った人や、数日前に香港で会った人など。しかし土曜に学会発表を入れてしまったので明後日の打ち合わせだけ済ませて帰宅。