脱稿

ずっと家でパークタワーのレヴューを書いていた。脱稿。編集部に送るのに、なぜかメールではなくFAXを使わないといけないことになっている。それに加えてぼくはプリンターをつないでいないので、いちいち引っ張り出してプリントアウトしないとならない。面倒だ。著者校はなしで、今までに二回書いているがいずれも誤字が見つかっている。今回は字を大きくした。

ともかくこれで書籍の原稿に打ち込める。公演もあまりないし、良い。しかし実はもう一つ、フランス語のダンス本の翻訳も抱えている。これは出版の予定がリアルに立っているわけではないのだけど、共訳で出そうという内々の計画。Yさんと3月いっぱいの予定で約束してるのに、今月はあまり進まなかった。Yさんはどのくらいできてるんだろう。いや、でも本の原稿が先だ。何としても急がねば。

今日は先日録画しておいたローザンヌを見た。本当に水準が低く、クラシックは見ても仕方ないから飛ばし飛ばしにしてコンテンポラリーを見る。フォーサイスもどきみたいなのと、フォルクヴァンクもどきみたいなのがあったがどっちも良くない。何が出てくるかわからないのはフリー・ヴァリエーションだが、今年はヘンなのはなかった。日本の松井学郎という人が踊ったのは、「A・シルバーストリン」とか書いてあったが、これはもしかしてアレッシオ・シルヴェストリンではあるまいか(NHKのカタカナ表記は本当にデタラメで、ルトスワフスキも「ロトスラフスキ」になってた)。最近日本で活動している元フランクフルトの人。金森穣とか、安藤洋子とか、アーキタンツとかとも絡んでいるくらいだから、若者にコンクール用に振り付けるということもありえるだろう。踊りがまずいせいか振りもそれっぽく見えなかったのだが、オフィシャルサイトを調べてもわからなかった。あとはレナート・ツァネラを踊った人が一人いた。

イノセンス』の予習にと思って『攻殻機動隊』を見直してみた。なんだか「ゴースト」と「人形」の関係が古典的な心身二元論とどう違うのかよくわからず、ひどく幼稚な内容に思えた。押井氏の最近のインタヴューとか読んでても同じ印象を受けるし、『イノセンス』は見に行かなくてもOKってことかな、と思ったらタイムリーにもKさんが日記に書いていた。今日見てきたそうで、「人の似姿としての人形とはどのような他者か」というテーマらしい。オモシロそうじゃないか。やっぱ見に行かないとダメなのか。