南北

シアター・バビロンにクワトロ・ガトスを見に行く。だいたいどういうものか想像はつくがこの眼で見ないことには何も言えないから、というかなり消極的な動機で行ったのだが、案外フツーのことをやっていた。フツーにつまらなかったということだが。モレキュラーのようなズルさは微塵もない。
それにしても王子神谷の駅から続く庚申通り商店街のゴーストタウンぶりがいつにも増して凄かった。まだお盆前なのに、ほとんどの建物が固く戸を閉ざしており、奇妙なモノや建物がやけに色々目に付く。しかし都営団地の脇の公園では今晩お祭りがあるらしく、お神輿が出ていた。つまり別に住民が何かの理由で活気を失っているわけではなく、十分普通に生きているにもかかわらず、このようにどんよりしているということなのだろう。ぼくの原風景は北区のこういう鬱屈した雰囲気なので、イメージはネガティヴでありながら同時に懐かしさを抑え切れない。
中目黒まで移動して代官山のヒルサイドテラス。初めて来た。槇文彦の何たらかんたらというのを見てみたかったが、日中は暑くて気力が出ず、結局夜になってしまって何もわからなかった。アネックスB棟の屋上にある温室で cha-chaS のダンス*1。お客が身内ばかりみたいだったので、正直初めは少し不安だったのだが、これは非常に良い公演だった。至福の40分。見に行って良かった。
半日電車に乗りまくっていたらあっという間に田崎英明ジェンダーセクシュアリティ』('00、岩波書店)読み終わる。これ凄いなあ。いいのかこれで。
まったく関係ない上に興味もないのだが、「長嶋ジャパン」て象徴天皇制そのまんまで、しかも For the Flag って(そういう言い回しがあるのか?)間違いなく Show the Flag の語呂を引きずっていると思う。

*1:安次嶺菜緒(あしみね・なお)のグループ。彼女は、前に金魚×10がセッションハウスでやった時に鈴木ユキオと組んだ作品が良くて、それ以来気になっていた。