禁断

映画を二本も見てしまった。まずBSでやってた『禁断の惑星』('56、フレッド・マクロード・ウィルコックス監督)。しかる後『ブラッド・ワーク』('02、クリント・イーストウッド監督)。『禁断の惑星』は56年ということを抜きにしてしまうと、それほど面白いかなあと思った。冒頭、人間の宇宙船がUFO型であったことは軽くショックを覚えたけど。つまりUFO=未来人説を採るわけか。光線銃の「ピュン。ピュン。」という迫力のない音が妙に生々しい。きっと本物も反動がなくてこんな風に拍子抜けなのだろう。拍子といえばなぜか三・三・七拍子みたいに光線を発射するシーンが一箇所あり、しかしながらそれが三・三・七ではなく三・三・六であったところにも興味を覚えた。自分の感覚からすると三・三・七はしごく当然なものに思え、三・三・六は気持ち悪いのだが、この映画を作った人々にとってそんなことはないのだ。『ブラッド・ワーク』はまあ面白かった。70歳ぐらいのイーストウッドが、心臓移植を受けつつシリアルキラーと闘う話*1。毎日リアルな銃声をニュースで聞きなれてしまっているため、イーストウッドがぶっ放す銃の大袈裟な音が『禁断の惑星』の「ピュン。」よりずっと白々しく、リアリティがない。いつの頃からかこの人の映画には必ず何らかの社会批判が込められているというイメージが定着しているが*2、同時にぼくは、この人はどの程度ボケが来ているのかということが気になって仕方がない。手堅い描写と進行の中に、しばしばおマヌケとしかいいようのないものが映り込む。それは美的なものであったり、倫理的なものであったりするのだが、とりわけ後者に関しては彼にボケが来ているせいなのか、それともむしろあまりに健康なアメリカ人であるせいなのかの判別が難しい。
結局夏はどこにも出かけなかったのだが、10月のアタマにあちこち行けそうで、今から楽しみになってきた。少なくとも10日の京都芸術センターの前後は、9日の土曜日に滋賀県栗東で「踊りに行くぜ!!」および丹野賢一を見るだけでなく、11日の月曜日に維新派を見られることがわかって早速予約を入れてしまった。あとは11月にニブロールを追いかけつつNYに行く話が持ち上がっていて、これをどうするか。今月第四週にはDamda!関係で岡山に行きたいが、足代をどうやり繰りするかで悩んでいる。出ないものは出ないし。露骨に安くなってる三菱レンタカーを狙っても高速代とかガス代とか宿泊費とか考えると気が遠くなる。仕事が絡まないとあちこち移動できない。

*1:しかしこんな映画いつの間に公開されてたんだろう。

*2:許されざる者』における銃規正法問題とか。