普通

やはり冬に雪が降ると安心する。とりわけ12月のうちに初雪は降ってもらいたいものだ。子供の頃は明らかにもっとバンバン降っていたのであって、あまり雪が降らないと地球の温暖化が実感されて気が気じゃなくなる*1
昨夜Mちゃんからメールで誘われたので、森下スタジオへ BOnoBOS*2 のクリエーションWSのショーイングを見に行く。FさんとOさんとUさんとSさんに会った。ダンサーは14人で、スクリーンや床に映像が映され、ヴァイオリンなど生楽器も付いてかなりきちんとしたショーイングになっている。夏目漱石の『夢十夜』から拾った言葉を基にしてそれぞれがフレーズを作り、そこから発展させながら全員でシーンを構成していったという。こういうやり方自体はオーソドックスだと思うが、能の摺り足とかゴロゴロ転がるとか本当に色んな動きが次々に出てきて、作品作りの過程がよく見えた。あと、皆が比較的キメキメに踊っているような時に日本のコンテンポラリーダンスっぽいマンガチックな動きが出てきたりすると、想像以上に異質で目立って見える。劇画の中にいきなり丸っこいキャラクターが入ってくる感じ。『北斗の拳』の中に手塚治虫、とか。前者は稠密な線の描き込みによるリアリズム志向、後者は簡潔な要素の組み合わせによる記号化志向。再現表象の論理でダンスを語るのはヘンだが、少なくとも振付というものは「人間」=身体に特殊な変形を加えるのであるからして、その変形の仕方がどこへ向いているかということは類型化できるはずだ。「人間」=身体の「拡張」に対して「要約(デフォルメ、単純化)」とか。もちろん舞踏は反省を折り重ねることで可能になる「微分」であるだろう。
神楽坂のセッションハウスへ移動。ここでも色んな人に会う。Yさんは森下からハシゴ。「極秘カルテット」と銘打たれていたがその正体は近藤良平身体表現サークル近藤良平は、黒田育世の時もそうだったが、パロディをやるのがうまい。身体表現サークルにピアノ伴奏を付けてサイレント映画みたいに見せたり、ラストの暗転の後にフンドシだけ残されていて「フンドシの妖精たちは消えてしまいました」みたいな終わり方をしたり。あと冒頭部分が面白かった。ボクデスをライヴでやっていた。終演後はKさん、Sさん、Sさん、Sさんと五人で中華。店を出たらSさんたちとははぐれてしまいKさんと二人で帰る。3月にマリー・シュイナールが来るという衝撃的な情報を教えてもらい、早速調べてアップした。

*1:地球の未来なんかどうでもいいが、人類の未来というか、子孫とか、友達の子供とかがひどい目にあうのはどうでもいいことではない。ちなみに動物や植物の絶滅危惧種とかもわりとどうでもいいことではないかと思っている。一匹一匹の命が大切なのであって、種なんかは別にいいだろう。ただし危機言語についてはかなりどうでもよくないことだと思っている。

*2:シャルルロワ・ダンスの遠藤康之やローザスの社本多加らが作ったグループ。