「踊りに行くぜ!!」イン・山口

羽田第2ターミナルのエアポート・ラウンジはたった2000円でシャワーも浴びれてコーヒーなども飲み放題でソファーでゆっくりできる。最高。飛行機に乗って90分ほど寝ていると山口宇部空港山口情報芸術センター(YCAM)の岸さんがピックアップしてくれて、途中でJCDNの佐東さん水野さん神前さんと合流し現場へ。YCAMはカッコいい建物で設備も充実している。気持ちいいラウンジ的な空間やラボを備え、ポンピドゥ・センターにも似た広い図書室+映像ブースは日曜ということもあって利用者多数。近所にこういうのがあったら普通入り浸ってしまうと思う。
YCAMの四元さん、福岡からの梁木さんが加わって軽く打ち合わせ。山口での「踊りに行くぜ!!」は今回が初開催だが、井手茂太のレジデンスWSによって蒔かれた種が次々に発芽しつつあるらしい*1。ステージ前にパネル席があって、それを観客が周りから囲む。お客さんの入りは想像以上だった様子。前半はソロ三本で、一本目と二本目の後にコメントをして、三本目の後は舞台上で観客も交え車座になって「クリティカル・レスポンス・プロセス」というディスカッションを行う。アメリカの振付家、リズ・ラーマンが開発した手法で、いくつかの段階を踏みながら、その作品をより良くしていくにはどうしたらいいかを探っていくというもの。まず観客が、印象に残った点を短く言う。ただし基本的にポジティヴなこと。次にアーティストが、自分の作品で気になっている点について質問を出し、観客が答える。さらに今度は観客からアーティストに質問をする。自分の意見をぶつけるのではなく、あくまでもニュートラルな「問い」の形に変換して投げ、アーティストが答える。最後は観客がもう少し突っ込んだ意見を述べる。こういう手続きに則りつつ、アーティストと観客が目的を共有しながら、互いの考えを交換し合い、能動的に考える。クリティカル・レスポンス・プロセスは去年の秋に京都芸術センターで初めて経験したが、今回は意見も活発に出て、いつの間にか自分の中にその作品への「愛」みたいなものが兆してくるのが不思議な感覚だった。後半はグループ三本。また一本目と二本目の後にコメントをして、三本目の後にクリティカル・レスポンス・プロセス。一回目ほどは盛り上がらなかったものの適切な問いや意見が多く出たと思う。会議室で選考会議。主に水野さんの意見にぼくがカラむ感じで90分ぐらいかかってしまい二組選出。グッタリ疲れ切って近くの店で交流会、出演者の皆さんと話をして飲む。熊本の馬刺し旨し。

*1:ちなみに広島は近藤良平その他、松山はアマンダ・ミラーなど、レジデンスWSの威力。