可世木祐子

CAVEというギャラリーがやっている舞踏フェスで可世木祐子&マーク・アテシュの『遠吠え』を見た。去年のトヨタで上演されるはずが、水を使うので中止になったやつで、ヴィデオでは見ていたがライヴで初めて見て本気で感動した。水の量はオリジナルよりずっと少ないのだが、それはそれで非常にいい感じにイメージをかき立てるものになっていて、むしろ水をドーンと出してしまうよりもこの方が面白いのではないかと思えた。いいものはジャンルとかぶち破るよなあ、と、理屈の上では誰でも思っているが現実には滅多に証明されないことが証明されるという稀有な出来事だったし、立派に作り上げられたものに圧倒されるとか見る者の裏をかく巧妙な仕掛けにニヤリとさせられるとかいうことではなくて、作り手の想像力と観客の想像力が互いにまさぐり合いながら答えのない空間を編み上げていくような刺激的でスリリングな40分あまりだった。
この回は夜9時30分開演で終演は11時過ぎ、色んな人と喋って0時半になったが、地下鉄とかに乗っても近頃は別に安全とのことで地下鉄に乗った。ホームでU2の『One』を歌ってるギター兄ちゃんに、関係ないヴァイオリンがかぶさって合奏して拍手をもらったりしていた。デリでサンドイッチを買って帰宅。