昨日はDTWへ行き、Vと一緒に Miguel Gutierrez を見た。27日のコメント欄でも書いたが、基本的には「いわゆるダンス」のパロディの系統。ロウソクの火に尻(裸)をあぶられながら裏声でケイト・ブッシュの歌マネをしていると、おもむろに客席後方から誰かが降りて来て、ロウソクの下に本を一冊敷くとロウソクの位置が高くなって尻がさらに焼けるという場面で、しかしその本にどうも見覚えがあるなと思ったら数年前に開かれたトリーシャ・ブラウンの回顧展のカタログ、さらに気付いてみればその本を運んで来たのはトリーシャ・ブラウン本人なのだった。とはいえ Gutierrez の舞台はパロディをやりながらさらにそこから突き抜けようとしている。アイロニーの地獄を身一つの力で乗り越えようとするそのさまは、全く偶然かつ表層的にではあるが舞踏にも似た「わがままな身体」あるいは「わがままな私」あるいは「わがままな私の体」だった。NYという空間と本気で格闘しているのが伝わってきて感動してしまった。終演後にNYのダンス・シーンに蔓延するパロディの精神(病)の話をしてみたら、それは確かに事実で、しかし自分は決してシニシズムに陥りたくはないのだと言っていた。トリーシャ・ブラウンが出てくれたことについてはまさに「夢が叶った」とのこと。Vとお茶して帰る。日本に共通の知人がいて驚いた。
今日は昼からUさんとチェルシー・マーケットへ行き、明日のインタヴュー&撮影のためのロケハン。家から近いところにこんな場所があるとは知らなかった。植木屋で睡蓮鉢を見つけ、欲しくなった。これに水を張って睡蓮を植えてメダカを飼いたい。ここには睡蓮が売ってなかったので今度ガーデニングの店へ行って揃えようと思う。ロブスターのスープでランチしつつ、東京に自前で小さいアートスペースを構えるアイディアなどを膨らませてしまう。酒も出せるカフェで利益を上げ、シアターで骨のあるダンスのプログラムを定期的にやる。ギャラリー、ブティック、古本屋などともリンク。場所は谷根千の辺で。ジョクジャカルタのクダイ・クブンは、シアターとギャラリーを回すためにまずレストラン経営のノウハウを身に付けるところから始めた。レストランで十分利益を上げられるようにした上でシアターをやっている。なるほど、ということはどこかに物件を見つけてそれをカフェ経営希望の人と共同でゲットすればいいのでは…などと。その後Uさんのショッピングに付き合ったりする。夜は Dance New Amsterdam というスタジオでやっているワーク・イン・プログレスの試演会に行き、10月に Dumbo Festival で見た Mare Hieronimus を見る。同じ作品だったが少し動きがソリッドに固まってきてしまっているように思えた。感想を伝えようと思ったがいつまでも出てこないので諦めて帰宅。明日の打ち合わせなど。