今年に入って初めて降り積もった雪だが記録的な積雪だったらしい。NYの雪はさすがに強烈だと思って納得していただけに「記録的」と聞くと逆に拍子抜けする。今日はまた春のような陽気で、雪もどんどん溶け、道が歩きやすくなった。
1月末にNYUで予定されていたぼくのトークは直前に先方のよくわからない理由で延期になり、何だかやる気がなくなりかけていたのだけれども、3月にCUNY(NY市立大学)の方で実現しそうな流れになってきた。デボラ・ヘイを見たことがぼくの舞踏に対する考え方をかなり変えてくれたので、トークが延期されたことは結果的に良かった。しかし見聞を広げれば広げるほど(当然の如く)これまでの物の見方がダイナミックに変更を迫られてしまい、ますます仮説を立てたり定式化を試みたりすることへの躊躇が募ってしまいそうな気もする。知識の収集をある時点でぶった切ることなくして、何か言うことはできないのだろうか…。
今日は昨年の秋に拝見したYさんの作品のランスルーを見た。三年かけて制作された作品の本番は来月。構成はすでに完成したという。NYでは一つの作品に非常に長い時間をかけ、長期に渡って何度も上演する(ワーク・イン・プログレスと明記することもあればしないこともある)。このYさんの作品はとにかく今までこの地上に決して存在したことのない類のもので、しかもその奇形性を全く売りにしていないで、表現したいことをできるだけ純粋に形にしようとした結果としてただ奇怪なありようを呈している点で本当に過激だと思う。当初の予定通りの帰国だと本番は見れないのだが、いま帰国を少し遅らせようと考えていて、そうしたら本番が見れる。
夏にインドネシアへまた行けることになりそうで、今から楽しみになってきた。