今日はちょっと死ぬかと思うくらいきつかった。特に最後から二番目のマギー・マランには殺意すら。しかしポンピドゥ・センターのミシェル・バルグ氏のトークによれば、ポンピドゥに行ってもこういうヴィデオを閲覧できるアーカイヴがあるわけではないらしい。同センターは24年間も(!)ヴィデオダンスのフェスをやっているが、毎年個別のアーティストから映像を借り出して著作権もクリアしてプログラムを組んでいるとのこと。センターで作品を買い取ろうとすると主に音楽の著作権料が莫大になってしまうため、事実上不可能だという(日時の決まった「上映」であればそこまでにならない)。この話を聞くまで正直どこかで「ヴィデオなんだからいつでも見れる」と思っていた部分もあったが、それは間違いなのだった。確かに、リンカーン・センターだったら無料でいくらでも見れるわけで、この差はいったい何なんだと不思議に思うが、リンカーン・センターにだって何もかもあるわけでは全然ないので、やはり気合を入れて見るべきなのである。
三日目はDV8のヴィデオ作品が面白かった(これは今年DVDで発売になっている)。それとサシャ・ヴァルツの『Koerper』。強烈なイメージだが、冷静に見ると映像がとてもよく出来ていて、逆に舞台ではどうやって見せるのだろうと半信半疑。アクラム・カーンのヴィデオは全く期待はずれで、撮影云々以前にダンス自体が生ぬるかった。このヴィデオの一年半後にあたるNY公演はこんなのではなかった。秋にはギエムと、来年はシェルカウイと一緒に来日。