桜美林で舞踊論。ここしばらく日本のダンスについて話すが、とにかくヴィデオを見てもらわねばと思うとまとまった話をする時間がとれず何だか中途半端な講義になってしまう…もっと緻密に下準備しなくてはいけない。
先月の新小岩劇場の花上直人の客入れ時になぜか懐かしい『ツインピークス』の音楽がかかっていた。それ以来TV版と映画版のサントラを出してきて聞いていたらリンチ五年ぶりの新作『インランド・エンパイア』が公開間近と知る。予告編を一度見たら居ても立ってもいられなくなり現時点で少なくとも8回は見た。一昨年ちょっとだけLAに行った時のあの荒涼とした印象、ほとんど恐怖に近い、広さ、乾燥、車道と巨大なヤシの街路樹、モーテル、閑散とした住宅街、無風状態、人々の無感動ぶり、などに対する感覚はとりわけ『ロスト・ハイウェイ』や『マルホランド・ドライブ』のイメージと一体になったもののような気がする。暗くて卑猥なサックスが流れて、画面いっぱいに無数の黒い鳥が狂ったように羽ばたいている、そのままカメラが引いていくとテレビモニターの砂嵐を拡大して映したものだったことがわかる、あの『ツインピークス』映画版のオープニングの記憶が甦ってきて、DVDを探すも絶版で高値がついている。
だったらここは講義の帰りに新宿で松本人志の『大日本人』を見ようと思っていたが、疲れてしまい、映画館に足を運ぶ気力をなくしてしまった。