「身体表現批評」を扱った『Corpus』という雑誌があり、その第2号を、セッションハウスで会ったNさんからようやく入手。この前ぼくが『シアターアーツ』に書いた論考「反スペクタクルと無意味の狭間」について、竹重伸一さんが書いてくれているとのことで、ずっと探していたのだった。ぼくの論考は、自分なりに渾身の一発だったし、基本的な図式については我ながら自信というか「やった」感があったから、どこからも何も反応がなくて少しヘコんでいた。竹重さんの「武藤大祐氏の論考『反スペクタクルと無意味の狭間』を読んで」は、基本的にぼくへの批判なのだけれども、まず真剣に読んで下さったこと、それから誠実に論じて下さったことに本当に感謝したい。生産的に再反論しなくてはと思う。他に坂口勝彦さんが「『コドモ身体』の脱構築的再構築」という論考で桜井圭介さんの「コドモ身体」論を論理的に整理し直していて、読み応えがあった。こうして見ると、公演評とかジャーナリズムとははっきりと区別されるような、歴史と理論に特化したダンス言説の網を作ることも不可能ではない気がしてくる。