トップページにある公演スケジュール英語版に初めてフィードバックが来た。その人は間接的にはぼくのことを知ってたみたいだけれども、最近日本に来ていて、このページを見て先週のイデビアンを見に行ったと伝えて来てくれて、嬉しかった。NYに行ってた時、やっぱり公演チラシ(ポストカード)や『ヴィレッジ・ヴォイス』や『タイム・アウト』から情報を集めながら、不便だなあと思い、ということは外国から日本に来た人たちはもっと不便なはずということで、英語版を作ってみたのだった。知り合いにしか教えてないから、見てる人は多くないだろうけど(そしてNYにもひっそりと存在してたのかも知れないけど)、せっかく日本語がわからなくても見れるダンスなんだから、どんどんオープンになってけばいいと思う。とはいえ会場のウェブサイトにリンクを張っても英語の情報がなかったり、チケットだって、ぴあとかe+に完全に委託してしまってる場合など(チケットぴあって英語で電話しても対応してくれるのだろうか)、まだまだ障壁は厚い。ちなみに最近JCDNでは、blocを使って、誰でも書き込んだり編集したりできるオープンなシステムを展開している。こういうのも多言語対応にして、ウェブ上で自然に展開していけばいいと思う。
12月の沖縄での企画が正式に決まって動き出したので、本格的に色々調べ始める。沖縄(琉球)のことは、知れば知るほど奥が深くて、また日本であって日本でない側面がリアルに見えて来るたびに、クラッと目まいのようなものを覚える。どんなに理性的に考えているつもりでも、自分の中に「日本人=単一民族」とか「日本人=日本語」とかいったような観念が想像以上に深く根を張っていて、それが、そうではない別の可能性を探索しようとする指の先にゴツゴツぶつかって来る。何か今、すごく自分の体をいじくってるなあという気がする。
8月に出たクレイジーケンバンドの新しいアルバムを聴く。奇遇なことに「タイ」特集で、ワット・ポーの大寝釈迦仏の写真とかが出ていた。咳のサンプリングで始まる五曲目のダブ歌謡「ヒルトップ・モーテル」が凄くて、98年のファースト『パンチ!パンチ!パンチ!』に入っていた「プーナ」(謎の留学生)の娘が出てくるのだが、

「♪プーナ プーナ おれのプーナ おれの愛人プーナ♪」
その歌なにさ? プーナって誰さ?
ママの源氏名(なまえ)もプーナさ

の部分もさることながら、咳のサンプリングが入った後、

数奇な運命に 翻弄されてむせび泣き
誤魔化さないでよ 煙草吸い過ぎよ 身体に悪いわよ

の後半なんか、畳み掛ける一言ごとに感情がスライドしていて、見事すぎる。