ツタヤ・ディスカス四周目。『スターシップ・トゥルーパーズ』('97、ポール・ヴァーホーヴェン監督)を見る。『ロボコップ』('87)で颯爽と現われたヴァーホーヴェンといえば、『トータル・リコール』('90)の、雑踏をかき分けてシュワルツェネッガーを追うマイケル・アイアンサイドエスカレーターを駆け上がりながら乱射する弾がそこら中の通行人にビシビシ当たるシーンが忘れられないのだけど、ちょうど映画から遠ざかってた頃の『スターシップ〜』がその筋で熱狂的に讃美されていて、ずっと見たいと思っていた。冒頭からマイケル・アイアンサイド、しかも体の一部が欠損してる人やサイボーグ化してる人が次々現われ、あとは普通に男女混浴のシャワー室など、徹底して身体が即物的に描かれているのは良い。そしてとにかく大量の巨大昆虫を撃ち殺しまくるだけの映画で、悪趣味度もそれなりではある。でもやっぱりこれってプロパガンダ映画や西部劇、ヴェトナム戦争ものなどの「パロディ」で、つまりは反戦映画で、快楽に倫理を優越させる日和った態度が全く容認しかねると思った。だいたいメインの火器が機関銃というのがきわめてストレスフル。どうせならショットガンの方がまだ良い。90年には通じたシャレが97年には通じなくなったということか。
ずっと懸案だった12月のジャカルタ行きが決まる。帰国の翌日から沖縄で、この月の前半は全然家にいない。