センター試験二日目。3コマ目(通算8コマ目)あたりから、同じことの繰り返しが精神的にきつくなってきて、生まれて初めて味わう種類の恐怖感を覚えた。収容所とかの体験でよくいわれるのって、こういうのなんだろう。結構弱いかもと思った。
何事もリズミカルな反復なら楽しいが、リズムの絶えた反復はひたすら拘束感だけになる。逆にいえば拘束されていてもリズミカルにこなせれば苦痛ではなくなる。例えばものすごくスローなリズムを刻めれば良い。一時間で四拍、とか。拍と拍の間は「間(ま)」というかジャンプの滞空時間のようなものだ。15分も滞空し続けるようなジャンプを思い描けるかという、想像力の問題になってくる。離陸と着地の間に、過程がある。記憶と予期の間のどこかで「今ここ」の静止点に目覚めてしまうことなく、時間を引き延ばしていく、その耐久力。これは単なる「忍耐」ではない。忍耐は、欲求と抑圧のだらしない繰り返しでしかない。むしろそういう現在的な契機とは無縁な、特異な可能性の領野。くだらないような、くだらなくないような。