終日原稿を書く。途中で図書館へ行ったり、本屋へ行ったりする。つげ義春コレクションの5、モース『贈与論』の新訳など、ちくま文庫の新刊と、宋安鍾『在日音楽の100年』('09、青土社)[amazon]を買い、そこで、朴祥美「『日本帝国文化』を踊る――崔承喜のアメリカ公演(一九三七―一九四〇年)とアジア主義」という論文の存在を知る('05年、『思想』975号。書誌情報では925号とあるが誤記のよう)。
シンガポールからDVDが届く。シアターワークスの Choy Ka Fai 演出のマルチメディア・パフォーマンス、三本。10月にジャカルタで初めて会って、たまたま彼の最新作のことを知っていたので話したら、映像を送ってくれると言ってくれたのだった。日本軍がシンガポールを占領していた時期に建設した「昭南神社」が、撤退時に爆破処分され、今はほとんど痕跡も確認できないような廃墟として熱帯の木々の間に残っており、この都市の中に埋もれた歴史を掘り起こすというテーマらしい。出演は砂山典子、リズマン・プートラ、パトリシア・トー。あと、村上春樹の『ダンスダンスダンス』を基にした同題の作品はジョヴィアン・ンの振付+出演。最近はこうやってDVDを送ってもらうことが多く、とても助かるのだけど、見る時間を作るのが大変。
ここ数日で花粉症が始まる。NYから帰ってきた時、なぜか治っていたのだけど、去年くらいからまた復活。春が来る、ということが単に穏やかな出来事じゃなくなってしまった。