会議の日。納得いかないこと。日本語が使用できる研究者によって書かれた西洋美術史関係の論文のうち、単に「日本語以外の外国語で書かれた論文」をいう際に「欧文の論文」と表現すればOKという感覚は、ちょっとどうかと思う。例えば、韓国籍で日本語も英…

今日は何も予定がないので家で細かい仕事を次々に片付け、近所のカフェへ行って英語の講読の試験解答を採点してから原稿を書こうと思っていたら採点だけで時間が過ぎてしまう。まあ自分も学部生の頃は英語なんて実用レヴェルじゃなかったけど、一度授業で読…

書類を提出したりするために大学へ。ソファーベッドを発注。 エルネスト・デ・マルティーノの La Terra del Rimorso ('08, il Saggiatore)が届く。呪術、祭儀、芸能、治療などが混然となった、よくわからない何か。とりあえずDVDの映像はかなり凄かった…

We dance 二日目。とにかくダンスについて話す、聞く、考える、ための時間が作られていて、それが異例だということを強く感じる。喋っていない時も、考えている。すると上演される個々のダンスも、ダンスであると同時に、ダンスについての思考であるように思…

横浜の We dance へ行く。手塚夏子と山崎広太の実験がそれぞれ面白かった。直接に「成果」を問うのではない試行を試行としてやっていて、ジャドソン的なオプティミズムがあった。ラウンドテーブル「ひらく会議」も、聞いている側としてはやや歯痒かったもの…

瀕死の状態で朝を迎えても研究室でパワーナップできるように、ソファーベッドをネットで物色。あまり渋すぎるデザインでも部屋が殺風景になるし、なかなか気に入ったものが見つからず。 夜、解体社を見に行く。プレカリアートのような日常的モティーフと生政…

4限はゲスト講師をお迎えする授業で今日は作曲家の近藤譲氏。単線の旋律ではなくて音の群を動かしていく作曲の例としてショパンとベートーベンを聴いた後、ベリオの同様の例を聴いてみると全く違う性格の音楽でも同列に受け取れたり、わかりやすくて刺激的…

補講で演習のラスト。お題は「タトゥー」と「フィギュアスケート」。刺青の方は、江戸時代に軽犯罪の刑罰で、額に墨を入れられてしまっている図が面白かった。初犯は「ノ」と書かれ、再犯は横棒を足して「ナ」の字に、三回目は右下に線とさらに右上に点を足…

フロイトの『快感原則の彼岸』を読んでいたら反復について面白い話が出てきた。子供が遊戯などを反復する時には、繰り返すことによって、与えられた状況を「支配」し「克服」しようとしている。だから反復されるものごとが毎回、同一であることにこだわる。…

今日は時間が自由に使える、と思うとかえって雑用ばかりしてしまい特に何も捗らなかったりする。 家の周りはけっこうオフィスが多いので、昼に食料の買い置きが何もないことに気付くと12時より前に何らかの店に到達できるかどうかが生死の境目となる。ときど…

吉見俊哉『親米と反米――戦後日本の政治的無意識』('07、岩波新書)[amazon]を読む。テーマパークの「アメリカ」と基地の「アメリカ」、欲望と消費の対象としての「アメリカ」と暴力としての「アメリカ」の相即ぶりの整理と論証は鮮やかすぎてクラクラした。…

午後から慶応大学の「国際舞踏カンファレンス」二日目に行く(15分ほど遅刻してしまう)。ヨーロッパでの舞踏の受容と変形がテーマ。それはまた「翻訳」という問題でもある。今日のスピーカーはスウェーデンで舞踏をやっている SU-EN と、ここ数年早稲田で研…

疲労困憊の状態で午前の講義、しかしいつになくゆっくり丁寧に話してしまい、準備した映像もほんの一部しか使わなかった。午後の演習は歌舞伎。隅取りの話になって、なぜか「KISSのメイクとかは歌舞伎がモデルなんじゃないか」とかくだらないことを言ってし…

今日は授業の最後に期末試験をやったら授業評価アンケートをやるのを忘れてしまった。まずい…。研究室で翌日の講義の準備をギリギリまでやって大学から新宿へ出て『シアターアーツ』の座談会+編集会議が23時近くまで。帰宅してさらに授業の準備の続き、画像…

2月末の香港行きの飛行機をやっと確保。朝一の便で現地の空港から劇場へ直行、二泊のみで再び朝一の便で戻って成田からも劇場へ直行、の予定。他にもチケット類をいっぱい買って日程をガチガチ固める。 山城知佳子さんから雑誌掲載用の画像が届き、すぐに編…

朝、Mに送った原稿(約3600字)が、TVでオバマ大統領の就任式を見ていたらもう朝鮮語に訳されて届いた。感謝、そしてあまりの早さに衝撃も受けつつ、早速ソウルへ転送。「無意味の偽装――アジア的身体とアメリカ」という題で、山城知佳子とラマンオキナワ…

昼ごろ本棚が届く。メインで使う大型の二基目。床に散乱したまま増殖し続けていた本がやっと一通り収まった。しかし、あともうちょっと欲しい。(まあいくらあってもどうせ足りることはなく、そして末期的には本が部屋の全容積の50%を軽く超えてしまい息が…

センター試験二日目。3コマ目(通算8コマ目)あたりから、同じことの繰り返しが精神的にきつくなってきて、生まれて初めて味わう種類の恐怖感を覚えた。収容所とかの体験でよくいわれるのって、こういうのなんだろう。結構弱いかもと思った。 何事もリズミ…

センター試験初日。朝8時半から夜7時前までひたすらマシンとなる。ちなみにぼくは大学受験の時にセンター受けてなくて、しかも英語と国語と小論文しかやってない。最後の最後に諦めたのが世界史だったこともありちょっと問題を見てみたが全然わからなかっ…

超寝不足のまま午前の講義。「インプロヴィゼーション・テクノロジーズ」のCD‐ROMがXPでは動かない(?)のは誤算だったがギエムの『イン・ザ・ミドル〜』を見せられたのはYouTubeの恩恵。 翌日からセンター試験のため午後は休講、帰宅して爆睡。土日…

ダンス史の講義も残り三回で、バウシュとフォーサイスの映像を整理。フォーサイスもYouTubeでずいぶん見られるようになった。ぼくがダンスに傾倒し始めたそもそもの最初は、1994年の早稲田の「現代演劇」の授業で、鴻英良氏が『失われた委曲』か何かのビデオ…

タッチの差で乗り遅れるものと半ば諦めつつ駅まで急いだら例によって高崎線のダイヤは乱れまくっていて、ありえないタイミングで快速が入って来たため必要以上に早く現地着。今日は会議のみ。 2月3月の予定を決め込むのを先延ばしにしていたけど、さすがに…

早稲田の演習(イタリアと地中海の文化)が年明け初回にして最終。いつも話題があちこちに飛んで意外なことを考えさせられたりして面白かった。今日は主に「日焼け」に関する話だった。 来月から韓国のダンス誌『MOMM』に記事を連載することになったのだが、…

黒沢美香&ダンサーズの「家内工場」、三回目は小品集になっていた。岸本あずさ振付によるデュオ作品を興味深く見る。とても言葉にならないような、ダンサーそれぞれに特徴ある動きの質感が、はっきりとした手つきで組み合わせられ、組み立てられていた。二…

このところ空気が乾きすぎている上に、なんか鼻炎で喉がつらい。紀要の論文に赤を入れてたらなかなか満足の行く仕上がりに思えてきたところへ3月の舞踊学会の研究発表の募集が。うーん…この時期、時間配分を誤ると自滅してしまうが、どうせならアウトプット…

初韓国。文字がまったく読めない世界。出国直前に電源プラグの形状が違うのではと思い立ちあわてて『地球の歩き方』を買って機内で読んだ。形状は日本と同じ型とヨーロッパ型が混在しており、変換用のプラグはホテルで貸してくれるらしい。それより事前に知…

先週日曜に大阪でジェコ・シオンポを見て翌朝福岡へ向かいレクチャーして打ち上げしてホテルにて徹夜で翌日の授業の準備して飛行機で寝て授業して半日意識を失って群馬で仕事して次の日も群馬で授業して午後から新幹線に乗ってまた大阪にいる。維新派。何で…

神村恵カンパニーの三作目は、他者の身体に「振付」をする(=縛りつつ踊らせる)ということの矛盾に対して一つの明確な答えを示しているように思った。私見によれば、この作品で鍵となるのは、中盤くらいのところで、舞台奥の壁に沿って横向きに、遠藤綾乃…

月末は数日毎に違う都市にいるか飛行機に乗っているような状態で、帰って来るや否や to do リストを全力で端からつぶしていかなければ本当に死ぬ、死ぬと思っていたら不意に最も巨大なやつが降って来てこのまま果てしなく死に続けなければならない見通しに。…

明日の夜からまたジャカルタ。今度は秋に開かれる Indonesian Dance Festival の企画会議で、ぼくとしてはかなり前衛的なアイディアがドーンとあるのだけど、大きな組織は資金力はあっても小回りがきかなくて歯痒い。そもそも企画書だってまだ書けてないが……