2009-01-01から1年間の記事一覧

さすがに昨日のは結構こたえた。精神に毒が回ってしまった感じで、それがなかなか抜けずに半日寝ていたが、見知らぬ人の日記を読んで救われる。何もぼくの肩をもつ意図で書かれたものではなく、単に出来事の醜悪さに憤り、悲しまれていた。それが自分自身の…

びわ湖ホールで二度目のシュイナールを見て、トーク。東京と同じく、マリーは司会者の質問をことごとく突っぱねていくモードで攻めて来たので、まずは損な役回りと割り切るが、テンション自体は最初から高く、自分でどんどん話してくれて安堵。しかし単なる…

山崎広太さんがイニシアティヴをとって始めた Body Arts Laboratory のサイトの振付家インタヴューが本当に素晴らしい。注目すべき発言はもちろん様々あるが、しかしどこがどうという以前に、コンテンポラリーダンスの作り手同志だからこそ可能な(単一の答…

午後から新幹線で大阪。泉州名物の「ガッチョ」という魚を食べてみる。唐揚げで、松葉おろしの状態(半身と半身が尾の部分でつながったV字)に、さらに背骨も残してある。たぶん初めて見た捌き方。あとで調べたら関東では「メゴチ」と呼んでいる魚だった。…

リゲティの『グラン・マカーブル』を見に、新国立劇場へ。意外にも日本初演。ARICAの藤田康城による演出は台本をかなりリテラルに読みつつそこに諧謔を加えている感じ。後半で霊柩車がドーンと出てきたのは良かったが、エンジンがかかってないのが惜し…

マリー・シュイナールはいわば享楽主義の奇才というイメージだったが、今回の作品は予想外なまでに深くて、震えてしまった。ギリシャ神話の意味なんてよくよく考えてみたこともないけど、「人類で最初の詩人」オルフェウスの詩というのが世の万物へ向けられ…

今年度で退職される絵画実技のM先生の最終講義。子供の頃から絵を描くのが好きだったという話から、いま取り組まれている作品のテクニカルな話までが、まったく自然な流れとしてつながっていて、その流れの中心には、現実にある「もの」が「もの」を超えて…

近所のカフェへ行って、ひたすら卒論を読み、採点をし、口頭試問の時にする質問を考える。半日で5本しか片付かなかった。芸能としての「歌舞伎」と風俗としての「かぶき者」の関係とか色々勉強になるし、戦前に宝塚歌劇が当初付属していた「温泉地」とディ…

会議の日。納得いかないこと。日本語が使用できる研究者によって書かれた西洋美術史関係の論文のうち、単に「日本語以外の外国語で書かれた論文」をいう際に「欧文の論文」と表現すればOKという感覚は、ちょっとどうかと思う。例えば、韓国籍で日本語も英…

今日は何も予定がないので家で細かい仕事を次々に片付け、近所のカフェへ行って英語の講読の試験解答を採点してから原稿を書こうと思っていたら採点だけで時間が過ぎてしまう。まあ自分も学部生の頃は英語なんて実用レヴェルじゃなかったけど、一度授業で読…

書類を提出したりするために大学へ。ソファーベッドを発注。 エルネスト・デ・マルティーノの La Terra del Rimorso ('08, il Saggiatore)が届く。呪術、祭儀、芸能、治療などが混然となった、よくわからない何か。とりあえずDVDの映像はかなり凄かった…

We dance 二日目。とにかくダンスについて話す、聞く、考える、ための時間が作られていて、それが異例だということを強く感じる。喋っていない時も、考えている。すると上演される個々のダンスも、ダンスであると同時に、ダンスについての思考であるように思…

横浜の We dance へ行く。手塚夏子と山崎広太の実験がそれぞれ面白かった。直接に「成果」を問うのではない試行を試行としてやっていて、ジャドソン的なオプティミズムがあった。ラウンドテーブル「ひらく会議」も、聞いている側としてはやや歯痒かったもの…

瀕死の状態で朝を迎えても研究室でパワーナップできるように、ソファーベッドをネットで物色。あまり渋すぎるデザインでも部屋が殺風景になるし、なかなか気に入ったものが見つからず。 夜、解体社を見に行く。プレカリアートのような日常的モティーフと生政…

4限はゲスト講師をお迎えする授業で今日は作曲家の近藤譲氏。単線の旋律ではなくて音の群を動かしていく作曲の例としてショパンとベートーベンを聴いた後、ベリオの同様の例を聴いてみると全く違う性格の音楽でも同列に受け取れたり、わかりやすくて刺激的…

補講で演習のラスト。お題は「タトゥー」と「フィギュアスケート」。刺青の方は、江戸時代に軽犯罪の刑罰で、額に墨を入れられてしまっている図が面白かった。初犯は「ノ」と書かれ、再犯は横棒を足して「ナ」の字に、三回目は右下に線とさらに右上に点を足…

フロイトの『快感原則の彼岸』を読んでいたら反復について面白い話が出てきた。子供が遊戯などを反復する時には、繰り返すことによって、与えられた状況を「支配」し「克服」しようとしている。だから反復されるものごとが毎回、同一であることにこだわる。…

今日は時間が自由に使える、と思うとかえって雑用ばかりしてしまい特に何も捗らなかったりする。 家の周りはけっこうオフィスが多いので、昼に食料の買い置きが何もないことに気付くと12時より前に何らかの店に到達できるかどうかが生死の境目となる。ときど…

吉見俊哉『親米と反米――戦後日本の政治的無意識』('07、岩波新書)[amazon]を読む。テーマパークの「アメリカ」と基地の「アメリカ」、欲望と消費の対象としての「アメリカ」と暴力としての「アメリカ」の相即ぶりの整理と論証は鮮やかすぎてクラクラした。…

午後から慶応大学の「国際舞踏カンファレンス」二日目に行く(15分ほど遅刻してしまう)。ヨーロッパでの舞踏の受容と変形がテーマ。それはまた「翻訳」という問題でもある。今日のスピーカーはスウェーデンで舞踏をやっている SU-EN と、ここ数年早稲田で研…

疲労困憊の状態で午前の講義、しかしいつになくゆっくり丁寧に話してしまい、準備した映像もほんの一部しか使わなかった。午後の演習は歌舞伎。隅取りの話になって、なぜか「KISSのメイクとかは歌舞伎がモデルなんじゃないか」とかくだらないことを言ってし…

今日は授業の最後に期末試験をやったら授業評価アンケートをやるのを忘れてしまった。まずい…。研究室で翌日の講義の準備をギリギリまでやって大学から新宿へ出て『シアターアーツ』の座談会+編集会議が23時近くまで。帰宅してさらに授業の準備の続き、画像…

2月末の香港行きの飛行機をやっと確保。朝一の便で現地の空港から劇場へ直行、二泊のみで再び朝一の便で戻って成田からも劇場へ直行、の予定。他にもチケット類をいっぱい買って日程をガチガチ固める。 山城知佳子さんから雑誌掲載用の画像が届き、すぐに編…

朝、Mに送った原稿(約3600字)が、TVでオバマ大統領の就任式を見ていたらもう朝鮮語に訳されて届いた。感謝、そしてあまりの早さに衝撃も受けつつ、早速ソウルへ転送。「無意味の偽装――アジア的身体とアメリカ」という題で、山城知佳子とラマンオキナワ…

昼ごろ本棚が届く。メインで使う大型の二基目。床に散乱したまま増殖し続けていた本がやっと一通り収まった。しかし、あともうちょっと欲しい。(まあいくらあってもどうせ足りることはなく、そして末期的には本が部屋の全容積の50%を軽く超えてしまい息が…

センター試験二日目。3コマ目(通算8コマ目)あたりから、同じことの繰り返しが精神的にきつくなってきて、生まれて初めて味わう種類の恐怖感を覚えた。収容所とかの体験でよくいわれるのって、こういうのなんだろう。結構弱いかもと思った。 何事もリズミ…

センター試験初日。朝8時半から夜7時前までひたすらマシンとなる。ちなみにぼくは大学受験の時にセンター受けてなくて、しかも英語と国語と小論文しかやってない。最後の最後に諦めたのが世界史だったこともありちょっと問題を見てみたが全然わからなかっ…

超寝不足のまま午前の講義。「インプロヴィゼーション・テクノロジーズ」のCD‐ROMがXPでは動かない(?)のは誤算だったがギエムの『イン・ザ・ミドル〜』を見せられたのはYouTubeの恩恵。 翌日からセンター試験のため午後は休講、帰宅して爆睡。土日…

ダンス史の講義も残り三回で、バウシュとフォーサイスの映像を整理。フォーサイスもYouTubeでずいぶん見られるようになった。ぼくがダンスに傾倒し始めたそもそもの最初は、1994年の早稲田の「現代演劇」の授業で、鴻英良氏が『失われた委曲』か何かのビデオ…

タッチの差で乗り遅れるものと半ば諦めつつ駅まで急いだら例によって高崎線のダイヤは乱れまくっていて、ありえないタイミングで快速が入って来たため必要以上に早く現地着。今日は会議のみ。 2月3月の予定を決め込むのを先延ばしにしていたけど、さすがに…